取材体験記

つい数日前のこと、出たらお送りしますと言ってくれていたのも待ち切れず、本屋 さんであの雑誌を購入してしまいました。インタビュー依頼があったのが1ヶ月半 ほど前のこと。以来、なしのつぶてだったのが動き出したら早かったなあ。

9月上旬、出勤後いつものように掃除を終えてメールを開くとひと月ぶりにランニング雑誌の編集者のSさんからのメールがきており、大変急で申し訳ありませんが、明 日の午後写真撮影とインタビューの時間を頂けませんでしょうか、と書いています。 送信日時は昨日の午後9時半。・・ということは、えっ、今日??今回は差し迫ったような気配を文面から感じたため、少し時間をおいて書かれていた携帯番号に連絡を入れてみました。できれば運動服での写真撮影を、とのことだったため、仕事上の連絡事項を急いで済ませ自宅に帰って着替え、午後からは仕事のアポがあった為、午前中にしてもらい当方の指定した長居公園に向かいました。(やれやれ。でも雑誌の編集 作業って、意外とみんなこんな感じなんだろうなあ)。

約束の場所に10分前に到着すると、40歳代半ばくらいと思しき丸顔で髪の毛が・・という状態の、人の好さそうなおっちゃんが高価そうなカメラを首から下げてキョロ キョロとあたりを見回しており、私の姿を認めるや「お忙しいところ、急にすみませ ん!」と詫びます。「いえいえ。わざわざ遠いところ、お疲れさまです」「明日、急に出張が決まってしまって」「どちらへ行かれるんですか」「福井です」「福井?」 「ええ、インカレ(インターカレッジ)へ」・・数日後、その大会で、桐生選手が100 mで日本記録を更新することになるとは、その時には知る由もありませんでした。

慣れない撮影を済ませ、インタビューに。「原稿は大体仕上がってますが、確認をい くつか」ということで以前送信したアンケートの補足質問に答え、10分ほどで終了。貰った名刺を改めて見ると、「スポーツライター」の肩書が。「えっ?Sさん、編集部の方ではなかったんですか」「いいえ、フリーですよ。なんでもせな食っていけま せんからねえ。ははは・・・」。一見華やかなように見えても、私のような市民ラン ナーのおっさんまで取材対象になるのです。人の好さそうなSさんの笑顔を眺めながら、スポーツと人間両方が本当に好きでなかったら、この仕事、多分続ける事なんかできないだろうなあ・・・。

というわけで出来上がった「ランニングマガジンcourir(クリール)11月号」(ベー スボール・マガジン社)は現在発売中です。本屋さんの前を通られる機会でもあれば、立ち読みなどでご笑覧いただければ幸いです(85ページ掲載)。恥ずかしいので けっして、けっして購入などされませんように・・・(Sさん、ゴメンナサイ)。