信号待ちで

先々週の金曜日午後のこと、車検から戻ってきたばかりのバンに乗り堺方面に出かけ ました。ひと仕事終えて帰る道中、信号待ちをしていると“ガッシャーン!”という音と共に身体に衝撃を覚えました。後部ガラスは粉々になっているものの、幸いなことに身体には影響ないようです。やれやれ。暑いからなあ・・。

朝、返って来たばかりのバンを夕方再び自動車屋さんに持ち込み、乗り慣れない代車よりはということで自社のトラックに乗ることになりました。翌々日の日曜朝、トラックで長居公園にランニングに向かいました。身体中の水分を絞り切り、帰る道中信号待ちになったところで2本目のペットボトルに手を伸ばしました。冷房がきく前に駐車場に着いてしまうほどの距離なので窓は空けています。ふと窓の外を見ると競技用のロードバイクに乗ったサングラスの男がこちらをのぞき込むようにじっと見ています。知り合いでもなく、煽り運転などした覚えもない。一気にスポーツドリンクを飲み干し窓の外を見ると、男はまだこちらを見ており、サングラスの向こうの目つきまではうかがい知ることができない。そのまま数秒。(俺はどう反応すればいい。なに?とほほ笑むべきか、又は、何か用かとスゴむべきか)。2つのパターンの間で心が揺れていると、サングラスの男が口を開きました。
「それ、神戸マラソンですね?」(えっ?汗まみれのこの黄色いTシャツのことか)
「そうやで。兄ぃちゃんも神戸走ったん?」
「いや、僕はまだ」
(今年当選したのかな)「最後のバイパスの登り、しんどいでぇ。脚、残しときや」
「はい」「がんばってな!」信号が変わり彼はペダルをこぎはじめ、交差点を左折し北へ、私はそのまま東へ。信号待ちのわずか数十秒ほどの間に、トラックの窓越しに見知らぬ人との会話。緊張と緩和、そしてさわやかな風が吹き抜けたようでした。

先週水曜日のこと。トラックを運転していると、前を行く九州ナンバーの大型トレーラーのうしろ扉が開いているのに気づきました。これはあぶない。丁度信号待ちになったので車を下り、タッタッタと運転席まで駆け寄り、ゴンゴンとノックし、ガチャりとドアを開けました。30歳前後とおぼしき運転手のお兄さん、おそらく見知らぬ土地で見知らぬ男にからまれたとでも思ったのでしょう、「あ、あ、あ!」と声にならない声をあげます。驚かせてゴメンとばかりに笑顔をつくり、「うしろの扉、開いてるで」。私が危ない人間ではないことを理解したのでしょう「あっ、すみません!」トラック後部のラッチを閉め終えると、私に右手を上げ小さく会釈をしました。

ここ2~3週間ほどの短い期間にレアな体験が続きました。きっとこの異常な暑さのせい なのでしょう。皆さま、ご安全に!

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