どっちもこわい?

ガラガラガラ・・・と扉を開け、「久しぶり!来たでぇ」と中に向かって叫ぶと、開けっ放しの会長室から、ぬっと顔を覗かせ、「おお~、久しぶりぃ」。約2年ぶりくらいでしょうか、客先からの帰途、K君のキックボクシングのジムに立ち寄りました。私とは風貌、性格、思考回路など180度違い、最近はあまり会う機会もないが、共通点はといえば年齢と、なぜか苦境に陥る周期のようなものが不思議と一致している点。その第一回目はこのような場面でした。

勤めていた会社を退職し、今で言うところの自分探しの(出稼ぎ)旅に出るため大阪に戻って来ました。ビザや荷物の準備をするための短い期間ながら、少しでも体を鍛えておこうと学生時代に通っていたボクシングジムで汗を流していると、最終日に偶然K君に再会しました。聞けばK君も私とほぼ同じ時期にジムを辞めたが、2日間ほどここで汗を流し、すぐに大阪を離れると言います。近くの居酒屋でグラスを傾け彼の話を聞いていると、様々な経緯から怖い組織のコワ~イ人をシメてしまった為、その手下たちから狙われており、しばらく土地勘のある北陸方面に身を隠すとのこと。尚、細君は生まれたばかりの乳飲み子をかかえているらしい。私の方はと言えば、片道切符で海外に出ていっても、いつ帰って来られるのやら、何をして生きていけばいいのやらと、不安で仕方ない状態ながら、命の心配まではしてはいません。不安な気持ちを口に出すのも忘れて、彼の話に聞き入ってしまいました。握手をし、わかれの言葉は「がんばれよ」ではなく真顔で「死ぬなよ」。双方ともに自分の蒔いた種ながら、自分より厳しい状態にある人間と話していると、こちらまで励まされるような思いでした。このあたりのシーン、逃亡者をナガブチツヨシ、旅立ち前の若者をフクヤママサハルあたりでご想像いただければ結構絵になると思うのですが・・・・・(^^ (^^; m(_ _)m
-そして約26年後-
「最近の女の子、むつかしいわぁ」。聞けば先日、練習生の女子中学生が髪を金色に染めるのでやめるよう注意すると、ふくれっ面をしながらもなんとか茶色に染め直してきたとのこと。少年少女の模範となるような過去を持つわけでは決してありませんが、彼の言ってることは一応正しい。「まあ、金色から茶色やったら、一歩前進やろう。取り敢えずは喜ぶべきやと思うで」。
きっと、かまってほしかったり、人目を引きたかったりという心理によるもので、案外ピュアなのでしょう。それにしても、反応や行動が読めない分、怖~い人よりも最近の女の子の方が、ある意味で手強いと言えるのかもしれません。いやいや、ひょっとして、女の人そのものが、みんなこわ~い存在なのかも・・・??