オレノマスク

客先への道中、久しぶりに大阪某所を車で通りかかりました。信号待ちでふと横を見

ると作業服がはだけたおっちゃんがコンビニの入り口横にまるで死体のように横たわ

っています。うっ、キョーレツ。いえ、大阪のほのぼのとした日常風景。

ローヤルの鍵山秀三郎さんを真似て毎朝出勤後、事務所周りの掃除をはじめて25年ほ

どになります。数年前から、高校時代の同級生が出勤時に我が事務所前を車で通りか

かるようになりました。はじめて私の姿を認めた時に「朝から一体何してんの」とい

うメールがきたので、「見られたか。俺の事、レレレのおじさんと呼んでくれ」と返

信しました。正直なところ、当初は誰かに褒めてほしい、認めてほしいなどという邪

(よこしま)な気持ちと、良い行いをしていたら、きっといいことがあるだろうとい

う下心以外に何もなかったのが、今ではそのような思いなどすっかり消え去っていま

す。また、以前は200メートルほどうろうろする間にペットボトルや空き缶などで

チリトリがいっぱいになっていたのが、今ではたばこの吸い殻と落ち葉などがちら

ほらという程度です。「割れ窓理論」はどうやら本当のようです。大阪人のマナーの

向上を喜ぶ一方、毎朝の掃除が少しつまらなく思える今日この頃です。

新型コロナの感染拡大のため、来シーズン全国各地で開催される予定だったマラソン

大会の中止が早々と発表され、朝のジョギングのモチベーションも全く上がらない状

態です。一方、ささやかな楽しみも発見しました。かつてマラソン大会で参加賞とし

てもらって、全く着ることのないTシャツの袖の部分を切り取り、それを更に縦方向

に半分に切り、左右の耳にあたる部分に切れ目を入れて、オリジナルのマスクを作る

ことを覚えました(鼻にあたる部分に針金を通したら形状記憶マスクに!)。通気性

が大変良いため室内の三密の場所には不向きですが、周囲に飛沫を飛ばさないという

意味合いに加え、マスク内側が呼気で湿ることもないため運動時には大変重宝してい

ます。夢中になってジョキジョキやっているうちに、いびつな形のマスクもどきが

10枚と、ノースリーブのスポーツシャツが5枚できてしまいました。エコですよ。

私の同類項も結構見かけます。いかにもシロート細工のマスクを得意げに着用して

るランナー。そんなランナーたちは、きっとこう思っているにちがいありません。

「オレのマスクは世界一!」

自らの経済政策に加え、たとえ不評であっても周囲の忖度によるものなのかマスクにまで自身の名前がついて(つけて?)しまった我が国首相の気持ち、ちょっぴりわかるような気がします(^^

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