組織とはぐれモノ

「鎮魂・さらば、愛しの山口組(盛力健児)」を読みました。このような場で推薦図書にするにはあまりふさわしくないかもしれませんが(^^;、あちらの世界もこちらの世界同様本来の“お仕事“よりも組織内の人間関係の方がはるかにしんどいんだなあ・・という感想を持ちました。あちらの世界でも組織内で浮いてしまう人がいるんですね。

その昔、関西地方の同業者で二代目の会を作ったので入会しないかとの誘いを受け、深く考えずに入会しました。当時はあまり世の中に浸透していなかったインターネット、HACCP、ISOなどの勉強会などはそれなりにためにはなりましたが、約束の時間に遅れても平気、交代で幹事をしたときには、案内を送っても期限内に返事をしない又は、全くなしのつぶて、など度量の小さい私には、容認できない状態でした。(いつかこの会、空中分解するだろうな。たぶん、俺が原因で・・・)

さて、勉強会ではそれなりに学ぶところも多く、メンバー諸氏の情報量や人脈などに感銘を受けることもあるのですが、その後の会食などになると彼我の考え方や行動形態の違いに、自分はもしかしたら変わっているのだろうか・・・などと首をひねる機会も増えてきました。
そんなある時、メンバーの一人の結婚式・披露宴に全員が招かれました。メンバーの一人が普通に行ったのではおもしろくない。全員タキシードで行こう、と提案しました。そのような席にちょっとまずいのでは、と私は反対するのですが、民主主義とは多数決。結局、我が会は全員タキシードで参列し、2テーブルが新郎と同じタキシード姿となりました。やがて、さらに他のメンバーの一人が結婚するということで、また披露宴に招かれました。今度も、もちろんタキシードで、それだけではおもしろくないので、更にチョンマゲのヅラを被ろうと一人が提案。いくらなんでもそれはやりすぎと反対したのは今回も私一人。結局、会場の某一流ホテルにはレンタルのタキシードはあってもチョンマゲのヅラ15名分が無かったため、他の参列者の好奇と軽蔑の入り混じった目に居心地の悪い思いを今回もしたものの、恥ずかしさと高ぶる自分の感情をなんとか抑え込むのでした。(やれやれ。そろそろ限界かな・・・)

しばらくして、一人が当時FAXだった連絡網を、流行しはじめていたメーリングリストにしようと提案しました。そんな約束、誰も守れないだろうからと私が反対するも、またしても多数決でそのように決定してしまいました。案の定、それ以降もすぐに返信するのは私を含め、2~3名。さすがに業を煮やした最年長の一番声のデカいオニガワラ氏(仮名)が明らかに会を立て直す意図で「決めたことも守れん人間ばかりやったらこんな会、やめた方がええんちゃうか」と言いました。即座に反応したのは他ならぬ私。
「その通り!こんな約束守れん人間ばかりの気分の悪い会、もうやめましょうや!」数週間後、仕事の上でオニガワラ氏に遭遇した時に彼曰く「おまえ、気ぃ短いのお」「あほなこと言わんで下さいよ。我慢やったら5年近く、十分してきましたわいな」「ま、ええがな。またパワーあるやつだけで会、作ろ」「いりません。もう会なんか懲り懲りですわ。いつまでもヘラヘラ笑うてるほど、人間できてませんから」

あれから約15年。決して望んだわけではないのに今では全く別のいくつかの集団に属してしまっています。いずれの会もそれなりに理性的で、反論する場面もほとんど無く、今のところ穏やかではあります。もちろん内心、ちょっと違うと思うなあ・・・という思いを抱きつつではありますが。組織に馴染むって、苦手な人間にとっては難しいものですね。