三人のおっさん@大阪市南部

秋のマラソンシーズンに向け、長居の外周道路でタイムトライアルをするようになりました。初夏の陽気に汗が吹き出しはじめた二周目。白髪で長髪、サングラスをかけた60歳代半ばくらいと思しき酔っ払いのおっさんがカラになった日本酒のコップをマイク代わりに大声で歌っている。「さいせんばぁこぉにぃ~ ひゃくえん玉投げたらぁ~ つり銭出てくる人生がいいとお~~♪」(ん?ナガブチか。前回来た時にはミソラヒバリだったよな)。外見は正体不明の酔っ払いで日曜朝の散歩や、ベンチで静けさを楽しむ人たちはたいそう迷惑そうな表情を浮かべているが、歌声はNHKののど自慢に出たら鐘の連打間違いなしと太鼓判を捺したくなるレベル。ここまで吹っ切れてしまったら人生気持ちいいだろうなあ。おっちゃん、陰ながら応援してるで。

口八丁手八丁の職人Yさんと仕事で顔を合わせました。以前、関西国際空港の飲食店に冷蔵庫を搬入に行き、スペースに納まらないトラブルが発生した時、持って帰って両端を切り仕舞をして予定の場所に納めるという離れ業をやってのけたと書いたことがありましたが「不可能」と言う言葉を知らないおっちゃんです。趣味のテニスの他に最近では体作りのためにジムにも通っているとのこと。「そろそろ腹、引っこんできましたね」と左こぶしで軽くYさんの腹を叩くと、「最近、腹筋割れてきたで」と、ぐっと力を入れて腹筋を固めて言う。来年4月には60歳ということで中学の同窓会があり、そこで服を脱いで同級生に肉体美を披露するのが目標とのこと。あまり上品な趣味とはいえないけど何ごとであれ目標をもつのはいいことなんでしょう。Yさん、ファイト。

大阪地方、先日の住民投票で「現状維持」が決定されました。そこから遡ることひと月ほど前、あの市長をこの目で見てみたいという野次馬根性半分で、近くで開かれたタウンミーティングに足を運びました。説明される内容はともかく、入場前には空港に設置されているような金属探知ゲートを潜らされ、手荷物検査を終えた人の衣服には検査済を意味するシールが貼られ、もちろん警備員が各所に立ち目を光らせているという異常ともいえる警備の厳しさ。結局、いくさに負けてしまい、市長は引退を公言していますが、その言葉を信じない人も少なからずいます。あの警備を見れば私なら決して続けようとは思いませんが、このあたりは命を狙われるほどの危険と隣り合わせの文字通り命がけの人と、嫌われることはあっても多分憎まれるほどのことなどない平均的な生き方をしている人間との差なのでしょう。嫌な事の一つやふたつ(三つやよっつ・・)あっても命など狙われることなどない平和なこの国に感謝です。

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