秋の日常
つい先日、まだ取引のないメーカーの営業マン(もちろん初対面)が事務所にやってきました。丁度、外出するところだった為、玄関先での立ち話になりました。名刺交換も終わり話を切り上げようとしたところ営業マン曰く
「社長、噂で聞きましたけどマラソンしてはるそうですね。僕も大阪マラソン申し込んだけどハズレました」
「大阪マラソンは僕もハズレましたよ。今年は淀川と神戸走ります。いつかどっかの会場で会うかもしれませんね。」
それにしても、噂で聞いた・・か。一体、誰が?狭い業界、なんだか気になります。
その数日後のこと、斯界の遊び人の社長が久しぶりにやってきました。以前、ベトナムツアーの勧誘にやって来て、「カネも時間もないならホームレス以下。あいつらはカネはなくても時間は持っとる」という殺し文句で機先を制し、私の断り文句を封じたあのおやじ、今度は食の博覧会か何かの見学にミラノに行こうと言います。
「いやいや。僕はホームレス以下で結構ですよ。仕事の方が好きですし・・」
「ほな、その次イギリス行けへん?」
「イタリアやフランスならともかく、イギリス で『食』は語れんでしょう」
イギリス料理ってマズいことで有名と思い込んでいる私にそのおやじが言うには、フランスは革命が起きてたくさん居た宮廷のコックが町へ出て自分で店を開いたためグルメ大国になった。イギリスは、うまいモノを求めて外へ出て行って大英帝国ができた。ホントはイギリス料理はとてもうまい、とのこと。 真偽のほどはさだかではありませんが-多分、ウソでしょうが-とりあえずこのオヤジがイタリアとイギリスへ行きたくて仕方ないということだけはわかりました。怪しい事でも本当のことのように言い切ってしまい、それなりに説得力もあるこの話術(詐術?)。それでいて、業界ではそれなりに信用も存在感もある。私にはちょっと真似できません。たくみな話術。世の中をうまく渡っていくのに最も大切な能力の一つなのでしょうけど。
さて、今日は今シーズン初めてのレース、淀川市民マラソンです。持ちタイムが世界記録に1時間12分とあと一歩??に迫っています。世の中を渡る上で、何の役にも立ちはしませんが、只管打走。今日は何もかも忘れて、ただひたすら走り続けてきます!・・・あ、ひょっとして冒頭の営業マンがどこかで私の世界記録更新の噂を聞きつけて、またやって来るかな?