腎臓がん(?)体験記-後編-

やがて入院、手術日が決まりました。手渡されたレジュメには、手術の内容やリスク
なども詳述されているため、手術に対する不安は払拭されました。「点滴から麻酔薬
が投与され始めると、だんだん意識がなくなっていきます。次に目が覚めた時には手
術は終わっています」・・まったくその通りでした。

コロナが落ち着いていたため、希望通り個室に入ることができ、はじめての入院生活
は大変快適なもので、同時に感動の連続でもありました。交代制とはいえ深夜あちこ
ちで鳴り響くナースコールの合間を縫って、頻繁に様子を見にきてくれる看護師さん
たちの姿に感銘を受け暗闇の中で「尊いお仕事ですね」と声をかけると「わっ」と驚
かれたりもしました。また限られた予算の中で栄養、味などすべての点で満足できる
ように食事を提供してくれる調理師さんや管理栄養士さんに対する礼儀や、とばかり
に一粒も残さず完食するためでしょう、下膳をしてくれるお姉さんが「いつもきれい
に食べてくれてますね」「おいしかったですよぉ。委託ですか直営ですか?」
「えっ?知りませんけど・・」業界関係者と警戒されたのでしょうか。

退院後3週間ほどで、摘出した腫瘍組織の顕微鏡による分析結果が出ました。上極分
はオンコサイトーマ、下極のものは血管筋脂肪腫。前者は腎がんとは鑑別が非常に困
難なため手術実施率はほぼ100%のもので、後者は大きくなるとやっかいなので通例
手術対象になるもの。いずれも良性腫瘍とのことでした。しかしながら、がんではな
かったものの、今回はそれとまったく同様の経験をしたことになります。、異なるの
は、再発や転移の可能性がないという点です。ふらりとクリニックを受診してから
最終結果を知るまで2ヶ月ほど。なんだか夢の中に居るようなふわふわとした、当事
者意識のほとんど無いながらも大変有意義な毎日でした。果たす機能さえ正確には知
らない臓器が体内にはたくさんあって、それらが正常に働き続けてくれている。
健康ってすごいことなんですね。自分の身体、もっともっと労わらなければ・・。

どうぞみな様、くれぐれもご自愛ください。