強運・トホホ親子

半年ほど前のこと、大阪市内某所の客先を出て帰途につきました。一方通行の信号が
青に変わり発車して右折しようとしたところで、ガシャン!という音とともに衝撃が。
しもた!!・・見通しの良い一方通行の交差点、正面右側から直進してくる自転車に
気づきませんでした。車を端に寄せて止め、被害者の状態確認、そしてすぐに110番
通報。警察の方が来るまでの数分の間に交わした会話から、被害者の方は衝突の瞬間
に自転車を飛び降りたそうで、大変幸いなことに無傷。

被害者の方の無事が確認できたからというのが一番の理由ですが、なんだか加害者な
のに妙に落ち着いて客観的に自分を見れたのは、一昨年の夏、車検から車が帰ってき
たその日にマイクロバスに追突され、夕方また自動車整備工場に持ち込んだ、という
経験があるため大体の”流れ”の記憶がまだ新しいからなのでしょう。人身ではなく
物損事故という処理も同様でした。
何度も頭をさげつつ「迷惑かけて、ほんまにすみませんでした。あとで万一のことが
あったら、電話ください」「いや、この件で電話することはないと思いますよ」
加害者の私が言うのもナンですが、相手が良い人でよかったと、相手の方と自分の強
運に感謝以外に何もありませんでした。

その翌週、母親の検査のため車で大阪市立大学病院に向かいました。診察後、診察券
を紛失してしまったと言うので、はぁ~、やれやれ・・などとぼやきつつ広い病院内
をあちこち尋ね回っていると、探し物は1階受付に届けられていました。

翌週、検査結果を聞くため、またまた母親と病院に向かいました。番号札を持ち、
順番を待っていて、ふと財布、保険証、携帯などの入ったカバンを持っていないこと
に気づきました。「あっ!トイレに置き忘れた」と、心当たりを探すもカバンは見当
たりません。(またかいな、もう・・・)
内心、イライラしながら母親が先日の検査結果を聞いている間に、あちこち尋ね回
っていると受付の方が、「地下1階の防災センターに届けられていますよ」と。紛失
に気づいてから約20分ほど。検査結果異常なし、4ヶ月後に経過観察のため来院をと
いうありがたい言葉もうわの空、すぐに教えられた場所を共に訪れました。母親が
カバンの中身や本人確認をしている間に、室外にいた守衛さんに尋ねてみました。

「あのう、どんな人が届けてくれたんですか」「さあ、私は知りませんけど」と前置
きしたあとでこう続けました。「ここ(病院)、は困った人が来るところやから、
(失ったものが)見つかる確率は高いですよ」う~む・・なるほど、いい言葉だなあ。
大難は小難に、小難は無難に。トラブルやアクシデントなど無い方がいいに決まって
いますが、それらがあるからこそ平穏無事のありがたさが身にしみるのでしょう。
強運には感謝しつつも、安全第一、無事を何よりも願います。

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